アメリカ留学ガイド#7:

リサーチ系の課題、調べ方(OSU編)




 アメリカの大学で、一般的にリサーチと呼ばれるものが、実は二種類あります。ひとつは、いわゆる「研究」で、答えが知られていない物事を、実験やシミュレーション、統計、理論、などを通して考察、検証し論文を書くといったものです。もうひとつは、ある議題に関して既に発表された研究や論文などを調べること。これも同様にリサーチと呼ばれています。普通は学部生の知識で専門的な研究は難しいので、学部の授業で、リサーチ、と言う場合は通常後者の方を指します。

 このページでは、いろいろなクラスでたびたび宿題として出される、後者の方のリサーチのやり方を、オレゴン州立大学の場合を例にとって説明したいと思います。


 

 クラスの宿題でペーパーやエッセイを書く場合や、プレゼンテーションを行う場合、自分の頭の中だけで書くことができるものにはおのずと限りがあります。また、自分の考えだけをただ漠然と書くよりも、リサーチによって得られた具体的な事実を盛り込むことによって、その文章の説得力は確実に上がるでしょう。それに、事実に基づいて書く方が、ただ闇雲に書き始めるよりも実際ずっと書きやすくなります。

 そういった都合で、クラスを取っているとなにかとリサーチが必要になってきます。こういった宿題のためのリサーチは、インターネットの登場によって、それ以前と比べてまったく様相が変わりました。図書館に行って目的にあった本を見つけるのは、思った以上に大変です。その点、インターネットで、例えばGoogleでの検索は、遥かに短時間でできます。インターネットの強みは、なんといってもその検索能力です。検索サイトで検索ワードを打ち込むだけで、世界中の主だったウェブページの内容全てから一瞬にして関連するものを見つけ出してくれます。それに対し、実際の本での検索は、一冊ずつ、目次を見るか、丁寧な本なら巻末の索引から調べるといったのがせいぜいです。インターネット検索で済ませることができる範囲なら、そうする方が時間の節約になるでしょう。ただし、ウェブサイトに書かれている内容、特に個人や企業のサイトの内容には往々にして間違いや偏った意見などが混在しているので、信用あるソースを選ぶことが重要になってきます。

 また、場合によっては、ウェブサイトからではなく、論文からリサーチをしなければならないこともあります。そういった場合、例えばOSUでは、図書館のJournals Searchで本の場所を調べ、その本を借り出すということになると思います。図書館のカタログのお陰である程度まで絞れるとはいえ、最終的には一冊ずつ手作業での検索になるので、どうしても時間がかかります。実は、こういった論文の代わりに、インターネット上でそのまま閲覧することのできるJournalがあります。これらのJournalは基本的に本として出版されたものの電子コピーという位置づけなので、ウェブサイト以外からのリサーチと指定された宿題にも安心して使うことができます。

 OSUでは、図書館提供の、Research Gatewayから幾つかのオンラインJournal検索エンジンがありますが、基本的には、Adadmic Search Eliteというものを選べば大丈夫だと思います。キーワード検索の他に、Full Textのチェックボックスにチェックを入れておけば、オンラインでそのまま閲覧することのできるjournal一覧が表示されます。また、各社の新聞の過去の記事を閲覧するには、Lexis-Nexis Academic Universeを利用することができます。ただし、どちらの検索も、OSUキャンパス内のコンピュータまたは、寮、カレッジインなどからのアクセスでのみ利用可能になっています。

 Journalではないのですが、学部生レベルでのペーパーならば、百科事典からの情報でも十分に実用に足りる部分は多いです。図書館にある百科事典の他、オンラインならばColumbia Encyclopedia(英語)がオススメです。日本語ならばLycos百科事典がありますが、Columbiaと比べると内容は少ないです。また、地理、社会などの数値統計には、CIA: The World Fact Bookなどが便利です。



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